ある生徒、仮に、A君としましょう・・・・
A君は、医学部志望でした。
しかし、彼は、本当に、本音で、『医学部志望だったか?』
違います。・・・・・私には、わかるんです・・・・35年もこの仕事してますとね・・
大人の尺度で言う、『良い人生』を歩んでもらうために、親たちの間で繰り返し言われ続
けてる言葉を、いつのまにか、A君が目標にするようになったんです。
A君が幼稚園に通ってた頃、何気なく
『ボク、大きくなったら、パパみたくお医者さんになりたい』って言って、
その時、お母様が嬉しそうな顔をして頭をなでてくれたそうです・・・
A君は、当時を鮮明に記憶してました・・・・
『ママは、これを言うと喜ぶんだ』ってのを肌感覚で感じ取るんです。
その後、誰に聞かれても『お医者さんになりたい』って答えるようになります。
全ては、お母様のため。
大人たちもいい加減なものです。
A君のこの言葉をわけもなく『凄いね~』って褒めます。
A君は、自分の夢や希望というよりも、
親を喜ばせるための人生を選んだのです・・・・
この事実をA君のお母様は、今でもご存知ないでしょう・・・・
人が生きていく道は、無数にあります。
親が希望して提示するごくわずかな将来像に縛られることなく、
子供はたくさんの選択肢から選ぶことが出来るはずです。
実際の話、このような医学部志望者は、少なくありません・・・・・
親を喜ばせるための選択・・・・・・・
お母さんを喜ばせたい・・・というピュアーな気持ち・・・わかります。
この賛否については、ここでは、言及しません。
超難関と言われる医学部受験というくくりで議論します・・・・
このような医学部志望者は、99%合格できません。
自分の純粋な気持ちで、医師を目指し、
絶対に医師になりたい!!って思っている生徒たちの
命を削る思いのせめぎ合いが医学部受験です。
ここ一番の頑張りどころでの
本人の真剣度
本人の本気度
に明確に現れるんですね、この『差』が・・・・・
「お母さまを喜ばせたい」という気持ちは、とても貴重で尊いもの。
それと、医学部に合格出来るかどうか? ・・・これは、全く、別の話。
目指すのは、本人の自由です。
私がどうのこうの言うべきことではありません・・・・・・・
ただ、一つ、これだけは、しっかりと心に刻んでください!!
医学部受験は、そんな、甘いもんじゃありまん!!
旭川医科大学医学部医学科3年生、千葉峻太君(実力養成会OB/札幌北高校出身)
今日も、最後まで、読んでいただき、ありがとうございました。