予備校や塾では『講師が教え、生徒が学ぶ』という構図になっています。
この表現は、間違っている訳ではありませんが、現実はというと決してそうではありません。
講師が教えているのは、知識や価値観を言葉で伝えているのとはかなり違います。
例えば『A+B=C』という公式を教えるとしましょう。
① 『A+B=C』を事実として受け入れる
② 『A+B=C』という”公式”に数値を代入して問題を解くことができる。
おおむね、②が達成されたなら、“よし” とされるでしょう・・・・・
いわゆる『理屈は、どうでもいい。とにかく覚えて、使えるようになればいい』的な発想です。
生徒が『学ぶ』ということは、知識がたくさん入ってくるということではなく、生徒の『思考』や『感覚』
などの『知の構造』が変革されることでなくてはなりません。
知識は、体系づけられなくては、生徒の頭の中に定着しません。
我々は、生徒へ知識や技能を教えるのではなく、『考え方』を教えているのです。
『A+B=C』を理解するということは、
この定理を正しいとしている『真理』や『科学』など知の構造(枠組み)を少なからず理解していなれば本当の意味で理解したと言えないのです。
俗に言う『ダメな講師』は、体系とは関係なくバラバラに知識を教えている人なんでしょう。
講師は、『真理』や『科学』や『知』の”磁場”を提供することで、生徒自身が自己変革し、学ぶことを援助するものなんです。
これが、真の意味の『講師が教え、生徒が学ぶ』ことだと認識しています。
今日も、最後まで、読んでいただき、ありがとうございました。