す栄花物語・・・・主人公は、田沼意次です。
田沼と言えば、賄賂政治の総合デパート(?)のように思われてきました。
しかし・・・筆者は、この田沼に対して、まったく新しい視点を打ち出してます。
◆あとがきより・・・・・・
徳川中期、時の先覚者として政治改革を理想に、非難と悪罵の怒号の中、
頑なまでに己の意志を貫き通す老中田沼意次。
従来、賄賂政治の代名詞のような存在であった田沼親子は、商業資本を見通した進取の
政治家であったという、新しい視点から、絶望の淵にあって、孤独に耐え、改革を推し
進めんとする不屈の人間像を、時流に翻弄される男女の諸相を通して描く歴史長編。
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当時、台頭してきた商業資本の前に政治権力は、ほとんど無力化してました。
これを見越して、意次は、専売制の拡張、株仲間の大量認可、極め付けが、南鐐二朱銀!!
さらには・・・
長崎貿易の拡大や新田開発・・・・・そして、蝦夷地に対露貿易・・・・
困難は百も承知!!
よく、立ち向かって言ったもんです!!
最近、『実は、スゴイ政治家だった!!』と歴史バラエティー番組などでも、
田沼の評価は、見直されてきてます。
私も、その通りだと思ってます。
田沼は、政治家と言うより、経済学者だったんだと確信してます。
『栄花物語』・・・・・冒頭の場面から巻末まで、物語の面白さを十分に満足できます。
賄賂で『栄華』を極めたという意次像とは、違う意次の物語、花の好きだった意次にな
ぞらえ、シンボリックに『栄花物語』というタイトルにしたんだ・・・・・・
そう思えてなりません。
今日も、最後まで、読んでいただき、ありがとうございました。