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2019
10/2

★『栄花物語』山本周五郎【新潮文庫】

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す栄花物語・・・・主人公は、田沼意次です。

田沼と言えば、賄賂政治の総合デパート(?)のように思われてきました。

しかし・・・筆者は、この田沼に対して、まったく新しい視点を打ち出してます。

◆あとがきより・・・・・・

徳川中期、時の先覚者として政治改革を理想に、非難と悪罵の怒号の中、

頑なまでに己の意志を貫き通す老中田沼意次。

従来、賄賂政治の代名詞のような存在であった田沼親子は、商業資本を見通した進取の

治家であったという、新しい視点から、絶望の淵にあって、孤独に耐え、改革を推し

進めんとする不屈の人間像を、時流に翻弄される男女の諸相を通して描く歴史長編。

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当時、台頭してきた商業資本の前に政治権力は、ほとんど無力化してました。

これを見越して、意次は、専売制の拡張、株仲間の大量認可、極め付けが、南鐐二朱銀!!

さらには・・・

長崎貿易の拡大や新田開発・・・・・そして、蝦夷地に対露貿易・・・・

 

困難は百も承知!!

 

よく、立ち向かって言ったもんです!!

 

最近、『実は、スゴイ政治家だった!!』と歴史バラエティー番組などでも、

田沼の評価は、見直されてきてます。

 

私も、その通りだと思ってます。

田沼は、政治家と言うより、経済学者だったんだと確信してます。

 

『栄花物語』・・・・・冒頭の場面から巻末まで、物語の面白さを十分に満足できます。

 

賄賂で『栄華』を極めたという意次像とは、違う意次の物語、花の好きだった意次にな

ぞらえ、シンボリックに『栄花物語』というタイトルにしたんだ・・・・・・

そう思えてなりません。

 

 

今日も、最後まで、読んでいただき、ありがとうございました。