これも、また、読み直しの一冊です。
筆者は、あの有名な東大の山本教授。
高校教科書を執筆されてる先生のひとりです。
~~~本文より抜粋~~~
東大入試の日本史の問題は、細かい知識を問うものではなく、
歴史の大づかみなとらえ方や史料や文献を読んで、歴史をどのように解釈するか?
ここを問うことが多いのです。
これが「東大流」です。
(中略)
歴史学は、日々進歩してます。
固定的な歴史観は、それを邪魔することにもなりかねません。
あくまでも、史料の正しい解釈を追及することです。
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さて・・・・
鎌倉幕府の成立が『イイクニ(1192)』ではないという説は、
今となれば、有名な話ですね。
1180年説
すなわち、幕府を朝廷から自立した武家政権と捉える立場。
と
1185年説
武家政権が全国政権になることを幕府の成立要件ととすれば、全国に守護・地頭を置いた
年とする立場。
この二つが、今では、有力な説です。
この辺の部分も、明快に説明されてます。
それで・・・・問題は、室町幕府なんです!!
実は・・・・私自身も、生徒に、指導しながら、
室町幕府の成立年については、何か、スッキリとしない、
モヤモヤとしたものを感じてました・・・・・・
しかし・・・この本のおかげでとても、スッキリしました。
本文より抜粋~~~~~~~
北朝の光明天皇は1338年8月、尊氏を征夷大将軍に任命します。
『征夷』でありながら尊氏が鎌倉ではなく京都にとどまったのは、吉野の南朝に対抗する
ためでした。
この時、室町幕府が成立したといっていいのですが、実は、室町と言うのは、
『花の御所』と呼ばれた三代将軍足利義満の邸宅が建設された場所です。
また、多くの研究者は、尊氏が征夷大将軍に任命されたときよりも、基本法である
建武式目が定められたことの方を重視し、1336年に実質的室町幕府が成立したと考えて
ます。
教科書に、室町時代の成立年が、はっきりと書かれていないのは、このためです。
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日本史愛好家としてみたら、興味の尽きない一冊です。
本日も、最後まで、読んでいただき、ありがとうございました。