世の中には、自分が『当たり前』だと思っていたことがそうではなかったり、
また逆に世間での『当たり前』が自分のところでは『特別』のことだったりすることがあ
ります。
それが、日常の生活習慣のこととなるといっそう違和感を感じたり、驚いたりします。
さて・・・・私は、”小論文”や”志望理由書”の添削指導もさせてもらってます。
ですから・・・・人一倍、”読書”はしますし、特に高校生の書く文章、作文にもよく目を
通してます・・・・
先日・・・・『私が目指すもの』というテーマで自分の未来像を書く作文のコンテストの
入賞作品を目にする機会がありました・・・
字数はわずかですからそう複雑なことは書けないのですが、
『宇宙開発に関わる仕事をしたい』
だとか
『介護にかかわる資格を取って、福祉の仕事を目指す』
など、高校生らしい前向きな将来像が述べられてました。
そんな中、私の心に突き刺さった作文がありました。
『”ただ今”が聞こえる家庭を作りたい』というある女子高生のモノでした。
彼女には両親がなく、アルバイトをしながら、中学生の弟と小学生の妹の三人で、
年金生活をしている祖母の家に身を寄せているというのです。
ある時、彼女が友人の家で定期考査の勉強をしていました。
集中していたのでしょう・・・夜になって、玄関の開く音がして『ただ今』という友人の
父親の声がしました。すると友人の家族の皆が『おかえりなさい』と言ってその帰宅を迎
えたのです。
彼女はその様子を見て、大きな衝撃を受けたと言います。
私の家には『ただ今』も『おかえりなさい』もない。
それは、生活に追われ、心のゆとりが持てない今、家族同士の中にお互いに”思いや
る”気持ちを持てないからではないか。
将来私が家庭を持ったら、家族の間で明るく挨拶できる家を作りたい・・・・・
というものでした。
私たちが、当たり前と思っていることが、
彼女には別世界の出来事のように思えたのです。
今は、厳しい生き方をしていても、将来は心豊かに生きようとする彼女の前向きな姿勢に
心を打たれました・・・・・
本日も、最後まで、読んでいただきありがとうございました。