教職員の世界では、四月一日付けの辞令を交付されると次の日にはもう一人前の扱いを受
けることになります。
『慣らし運転』もなく、『仮免許』の期間もありません。
特に臨時教員の場合、
いきなり連絡が来て、次の日には着任ということもあります。
(今の時代は、こういうことはないと思いますが)
着任してからは、まさにドタバタの毎日、試行錯誤の連続です。
運が良ければ先輩の教員から懇切丁寧な指導を受けることもありますが、
それが僻地校なら皆無です。
学生時代,塾講師のバイトもさせてもらってたこともあり、
授業に関してはそれなりの自信はありました!!
しかし・・・・着任1日目で、あっさりと根底から崩れ落ちました。
絵に描いたような ”井の中の蛙” でした(笑)・・・・・24歳の時です。
そもそも、学校は、塾とは根本的に異なります!!
勉強に前向きな生徒もいれば、
勉強したくない生徒もいます、
勉強に全く興味のない生徒もいます。
極め付けは・・・・
基本的に勉強は二の次!!
読み、書き、ができればそれで十分。
という教育方針のご家庭もあります。
そういう様々な子供たちがひしめきあってます。
時には、力で生徒をねじ伏せることも、竹刀を片手に授業をしてた時期もありました!!
(今の時代は大問題ですが)
とにかく、体力がなきゃ、やっていけない世界でした。
塾での授業がいかにやりやすく、楽なコトか・・・・・(笑)
そんな私が、
初めて着任した僻地校の校長先生から言われた言葉が、
今でも心にしっかりと刻まれてます。
40年近く経ってる今でもです。
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教師とは教師になりゆく者。
臨時だろうが正規だろうが生徒にとって関係ない。
教師人生の第一日目は教師になる道を歩き始める第一歩に過ぎない。
昨日よりは今日、
今日よりは明日,
明日よりは明後日、
一日一日,その前の日より少しはましな教師になるように努力する過程が、
教師になりゆく道。
教職にある限り、その心構えで毎日、毎日、努力を積み重ねるコト。
そして、いよいよ、明日が定年退職って夜に、自分がそれまでの年月を振り返って、
『どうやら教師になれたかな』と自分の中のもう一人の自分に向かって言ってやればいい
のさ。
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本日も、最後まで、読んでいただき、ありがとうございました。