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2019
8/20

実力養成会通信 第1233号 ”大化の改新について考える” の巻

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日本史検定1級に向けて、勉強を継続してます!!

最新版の東大出版の本(東大の先生たちの書いた本)を教科書としてます!!

 

勉強していく中で、当然ながら、

様々な『発見』『気付き』さらには『驚き』にも遭遇します。

 

 

ところで・・・・・

いつも、言ってますが、大学受験では、『教科書が全てです!!』

 

 

『教科書こそが真実!!』

 

 

いいですね?

皆さんは、受験生であって、歴史学者ではありません!!

と言うスタンスで、興味を持って、読んでいただければ・・・このように思ってます。

 

 

 

『大化の改新』・・・・・クーデター(乙巳の変)の後に行われた一連の政治改革。

 

孝徳天皇が発した『改新の詔』によって、

 

それまでの豪族の”田荘”、”部曲”を廃止して、公地公民制へ。

地方行政組織の“評”を各地に設置

その他にも・・・・

班田収授法

戸籍の作成

租・庸・調などの税や労務の負担制度

首都を定める・・・・・・などなど・・・・

 

このように、律令国家の基礎が確立されたと考えられてきました。

皆さんの教科書にも、このように記載されてます。

 

がっ、しかし・・・・・・

現在では、これらは、史実でないことが明らかになってしまいました(汗)

 

そもそも、『改新の詔』は、それを伝えてきた『日本書紀』の編者によって、奈良時代に

作られたか、あるいは、書き換えられたものである、ということらしいのです。

 

ですから、一部の専門家(ある京大の教授)は、

そもそも大化の改新自体はなかった、と主張してます。

 

今から30年以上前、奈良県のデパート建設予定地で、実に4万点以上の木簡が発見されま

した。皆さんご存知の“左大臣、長屋王” のものですね。

 

木簡からは、長屋王の贅沢な暮らしぶり・・・・

長屋王が私的に管理する大農場とそこで働く大勢の農民たちの記録も発見されました。

 

あれっ?

 

公地公民は?

 

公地公民制の確立に大きな疑問を投げかける史料となり、

今では、奈良時代になっても王族や貴族の間では、

土地と人民の支配はずっ~と続いてたと考えられる大発見でした!!

ですから、墾田永年私財法により、貴族や寺社による土地の荘園化が進み、

朝廷の力が弱まっていったという従来の学説が、いとも簡単に覆ってしまったのです。

 

さらには・・・・・

口分田を捨て、浮浪したり、逃亡した農民たちのほとんどは、王族、貴族たちの個人大農

場で、割と優雅に暮らしていた・・・・という事だったんです・・・・

 

 

このように・・・・・

近年、既に、定着していた学説が、史料を読み直したり、他の史料とつき合わせたりする

ことで、別の解釈が実は、正しかったというケースが、頻繁に起こってます。

今回の『大化の改新』もその一例です。

 

さらに言えば・・・・あの坂上田村麻呂にしても文室綿麻呂にしても、彼らの軍隊は、

『農業開拓』のための派遣団だった・・・・・などなど他にも色々あります。

 

しかし、これらの史実は、現行の教科書には反映されてません!!

くれぐれも・・・受験日本史では、『教科書こそ真実』です!!・・・いいですね!!

あくまでも、興味深い”話”として読んで下さいね。

 

受験日本史は皆さんの教科書が全てですからね!!

 

 

さて、2020年に学習指導要領は、大幅に改定されます。

日本史の教科書もこの”大化の改新”も含め、大幅に改定されると言われてます!!

 

従来の『日本史A』『日本史B』は、

『日本史探究』『歴史総合』になります。

 

これは、日本史、世界史という垣根が一気に低くなり、

日本史を世界史の大きな流れの中でとらえて教えていくというものです。

 

 

さて、いよいよ大学入試制度が大きく変わります!!

 

先日、ある新聞で、様々な立場の方が

今回の入試改革の問題点を指摘してました。

それぞれの立場の方が、それぞれの視点で”指摘”されるのは、良いことです。

 

 

私自身も、色々と思うところはありますが、

生徒をあずからせてもらってる立場です・・・・・

“指摘” よりも、”変化にしっかりと順応していくこと” 

今後も、ここを 軸としていきます!!

 

 

本日も、最後まで、読んでいただき、ありがとうございました。