我々、予備校講師は、それぞれが”教え方のプロ” というプライドを持って、仕事をさせ
てもらっています。
我々は、『教える』という行動を通してでしか自分を表現できない職業です。
『教える』ことにより、生徒の学力を伸ばし、その対価として『指導料』をいただきま
す。
生徒の学力を伸ばすには、『良い指導』『良い授業』が大前提です。
最近、いろいろな塾の広告、チラシ、ホームページを見ていると
『良い授業』『良い指導』を実現するための、『教える技術』について
キチンとコメントしているところが少ないように思います。
いつも、目にするのが・・・・・・
『一人一人のためのオンリーワン指導』
『クオリティーの高い家庭教師しか採用してません』
『相性面も考慮したベストマッチングの・・・・・』
こんなんで、いいのかな?・・・・・と思ってしまいます。
最初に “相性”ありきなんでしょうか?
『良い授業』をすることで、信頼関係は生まれてくるものと、私は考えています。
『教えること』は、大学生でも、すぐにできます。
しかし、『志望大学合格まで導く指導』は、簡単ではありません。
仮に、大学生の家庭教師が、志望大学合格まで導いたとしても、生徒本人の努力が大半を
しめます。
志望校合格を断念せよ!! とまで言われた生徒を、合格まで導いてこそ、プロの仕事です。
少し、専門的な言葉が出てきますが、ご容赦願います。
生徒が身に付ける技能、すなわち講師側が教える内容は、すべて次の5つに分類されま
す。(北大教育学部で採択している教育方法論の教科書より抜粋)
①運動機能
②知識獲得技能
③問題解決技能
④学習法略機能
⑤態度技能
この5種類の技能それぞれについて、上手に、的確に指導する、指導方法のトラの巻きも
存在しています。
あるいは、様々な実験データに基づくレポートも数多くあります。
過去の先人たちの研究結果は、何物にも代えがたい貴重な財産です。
プロの講師が『持つべき技術』・・・・・・
例えるなら”プロの料理人”がさまざまな素材を最適な料理法で料理しておいしい料理を提
供することに似ています。
プロの講師は、教えるべき素材、すなわち、教えるべき学習内容を最適な教え方のレパー
トリーから選んだうえで相手に教えます。
予備校講師は、得てして、自分の経験則に知らず知らず縛られていきます・・・・
経験則は、大切です。
しかし、それにプラスして、先人たちの築き上げた基本的理論に立ち返ることも大切で
す。
『教えること』は、単純ではないんです。
生徒集めの、どこにでもあるようなフレーズを考える時間があったら、『教える』ことと
しっかり向き合ってほしい・・・・と最近のチラシを見てて思いました。
今日も、最後まで、読んでいただき、ありがとうございました。