ある若手の高校数学指導者の方から、こんな質問(一部抜粋)をいただきました。
若手らしい、とてもいい質問と感じました・・・・・
せっかくですので、その質問に対する私の返答もあわせて、
ご紹介させていただきます!!
◆数学の楽しさを伝えられる力。もっと学びたいと思わせる力。
これらをもっと伸ばすには?
➩楽しさを伝える、もっと学びたいと思わせるには、ご自身が
『数学が楽しい』『数学をもっと学びたい』と思い、そして、それを実践すること。
そういう純粋な“思い”と“行動”は、口に出さなくとも、生徒に伝わります。
◆高校数学指導者として、高校数学を超えた数学(線形代数等)の理解はどこまで必要
か? はたまた必要ないのか?
➩教科書の記述をベース(平地)として、それよりもほんの少し小高い丘に立って、
平地を展望することも必要。また・・・・単に見おろすだけでなく、時には魅力的な山々
を見上げることも必要。そういった意味では、大学で学ぶ”線形代数学” ”微分積分学”
の知識があれば、指導に奥行きがもてます。
私の個人的な意見ですが・・・・高校数学を指導する以上、線形代数学、微分積分学は、
“知識”として必要だと考えます。
大学の2次試験の中には、
大学で学ぶ数学の内容を、大学入試問題へと改めたものをよく目にします。
もちろん、北大も例外ではありません。
具体例を挙げましょう・・・・・
【数Ⅲ微分の応用/不等式の証明】は、大学で学ぶ『マクローリン展開の積分剰余項』
を”ネタ”にしてます。
【数Ⅲ積分の応用/積分漸化式】の多くは大学で学ぶ『ベーター関数』を”ネタ”
にしてます。
【数B空間ベクトル】に関しては、大学で学ぶ『線形代数/計量線形空間・正規直交基
底』の本質を学ぶことにより、ベクトルとは何か? ベクトルの手法とは? が完全に
クリアーになります!!
そもそも・・・矢印(のようなもの)で表現される平面ベクトルや空間ベクトルを
“幾何ベクトル”と言います。いわゆる空間ベクトルとベクトル空間は全くの別物です!!
数Bで学習する空間ベクトルは大学で学ぶベクトルの超レアなケースにしかすぎません。
少なくとも、北大以上のレベルの大学の合格をめざすのであれば、
こういった知識は最低限、持ち合わせていなければ、十分な指導はできません。
本日も、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。