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2022
6/4

☆実力養成会通信 第2219号 ”ある若手の高校数学指導者からの質問” の巻

ニュース

ある若手の高校数学指導者の方から、こんな質問(一部抜粋)をいただきました。

若手らしい、とてもいい質問と感じました・・・・・

 

 

せっかくですので、その質問に対する私の返答もあわせて、

ご紹介させていただきます!!

 

 

◆数学の楽しさを伝えられる力。もっと学びたいと思わせる力。

これらをもっと伸ばすには?

 

楽しさを伝える、もっと学びたいと思わせるには、ご自身が

『数学が楽しい』『数学をもっと学びたい』と思い、そして、それを実践すること。

そういう純粋な“思い”“行動”は、口に出さなくとも、生徒に伝わります。

 

 

◆高校数学指導者として、高校数学を超えた数学(線形代数等)の理解はどこまで必要

か?   はたまた必要ないのか?

 

教科書の記述をベース(平地)として、それよりもほんの少し小高い丘に立って、

平地を展望することも必要。また・・・・単に見おろすだけでなく、時には魅力的な山々

を見上げることも必要。そういった意味では、大学で学ぶ”線形代数学” ”微分積分学”

の知識があれば、指導に奥行きがもてます。

私の個人的な意見ですが・・・・高校数学を指導する以上、線形代数学、微分積分学は、

“知識”として必要だと考えます。

 

 

大学の2次試験の中には、

大学で学ぶ数学の内容を、大学入試問題へと改めたものをよく目にします。

もちろん、北大も例外ではありません。

 

具体例を挙げましょう・・・・・

【数Ⅲ微分の応用/不等式の証明】は、大学で学ぶ『マクローリン展開の積分剰余項』

を”ネタ”にしてます。

【数Ⅲ積分の応用/積分漸化式】の多くは大学で学ぶ『ベーター関数』を”ネタ”

にしてます。

【数B空間ベクトル】に関しては、大学で学ぶ『線形代数/計量線形空間・正規直交基

底』の本質を学ぶことにより、ベクトルとは何か?  ベクトルの手法とは? が完全に

クリアーになります!!

そもそも・・・矢印(のようなもの)で表現される平面ベクトルや空間ベクトルを

“幾何ベクトル”と言います。いわゆる空間ベクトルとベクトル空間は全くの別物です!!

数Bで学習する空間ベクトルは大学で学ぶベクトルの超レアなケースにしかすぎません。

 

少なくとも、北大以上のレベルの大学の合格をめざすのであれば、

こういった知識は最低限、持ち合わせていなければ、十分な指導はできません。

 

 

 

 

本日も、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。