十勝管内広尾、音調津。
昆布漁の時期になると、そのバイト料の高さに魅せられ、
札幌からバイトの大学生が大挙してやってくる!!
もちろん、住み込み。
期間は、昆布漁のある40日間。
しかし、バイト初日で、ほとんどの大学生は、
シッポを丸めて、逃げ出す。
3日持てば、地元の漁師さんに”大したもん”って褒められる。
最後まで、バイトをやりきる大学生は、一人か二人。
朝5時の漁協のけたたましいサイレンとともに、
船は、一斉に沖に向かう!!
漁の時間は、8時までの3時間。
限られた『時間』の中でどれだけ捕るか?
1分1秒を争う!!
昆布が船一杯になると、岸に向かう。
岸壁の上には、軽トラに乗った家族、親戚が待機している。
いわゆる“丘周り(おかまわり)”と呼ばれる人たちだ。
軽トラに搭載したウィンチで昆布を引き上げる。
船を空にしたら、また沖に向かう。
丘周りの人たちは、すぐさま、コンブを干す。
海からあげたての昆布は異様に重たい。
私は、これで腰を悪くした。
一見、簡単そうに見える、昆布干しだが、熟練の技が必要。
乾いて、昆布が石に引っ付かないように、こまめに、昆布を“引く”
昆布を石に、ひっつかせたもんなら、
漁師さんの愛ある(?)グーパンチ(今は、ないでしょう・笑)
根は、いい人たち・・・・・しかし、昆布漁となると人が変わる!!
“押し切り” で昆布を均等の長さに切り、昆布小屋に寝かす。
シケの日・・・・波の高い日(船をだせない日)・・・は『ひらい(ひろい)昆布』
胴ヅケを身にまとい、海中に浮かぶ昆布をひろう。
波が高いので、気を抜くと、体が持ってかれる!!
昨年夏、不幸なことに、『ひらい昆布』中の漁師さんが亡くなっている。
様似での事故。
プロ中のプロの昆布漁の漁師さんでさえ、命を落とす。
決して、、大げさな言い方ではない、命をかけた仕事(バイト)だ!!
だから、自分の置かれてる状況を理解すると大学生のバイト連中は、しっぽを丸めて、逃
げるようにこの地をあとにする・・・・・大学生のこの行動はある意味、”自然”
ここは、男たちの命を賭けた戦場。
最近、この昆布漁のバイト、その過酷さから人手不足らしい・・・・・・
いかに、過酷か?・・・・それは、やったものにしかわからないだろう。
私は、40日間、やり切った!!
しかも、2年間。
この2年の昆布漁の住み込みバイトで、つちかったものは・・・・・
『鉄の根性』
と
『サマになる、ねじりはちまきのまきかた』
今日も、最後まで、読んでいただき、ありがとうございました。