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2019
7/25

実力養成会通信 第1207号 ”北山文化、東山文化という言葉が消える?” の巻

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室町幕府第3代将軍足利義満の治世を北山文化、第8代将軍足利義政の治世を東山文化

というのは、学校で習うおなじみの文化区分ですね。

 

ところが・・・・現在の歴史学においては、両者を合わせて『室町文化』と呼ぶのが

一般的となっています。

では・・・・教科書は、どうなってるんでしょうか?

【山川出版/日本史B】

義満が建てた金閣。

義満の立てた銀閣。

これらがあまりにも象徴的であるため、広く、浅く歴史を学ぶときには、確かにそこに目

が行ってしまいますが、文化の変遷は、連続した時間の中で生じるものです!!

 

そこで、この両者を”橋渡し”する4代将軍・義持、6代将軍・義教の時代にも目を向け、

ひとつの線として室町時代の文化を捉えようとするのが、

今の歴史学のスタンダードです・・・・

ですから、教科書でも、北山文化、東山文化は、一昔前よりも『こじんまり』とした扱い

になってると思いませんか?

 

そもそも、室町時代は、様々な文化的要素がひとつに溶け合った時代です。

現代日本の国民文化の直接の源流がこの時期にあると言っても過言ではないでしょう。

 

 

学習指導要領の改訂に伴い、学校で使われてる歴史の教科書も4年ごとに改訂されます。

改定内容は、細かな訂正から、まったく内容を書き換えられるものまで様々ですが、

教科書の内容は、ドンドン、グレードアップしてます。

 

特に歴史は・・・・

遺跡の発掘などで新しい史料が発見・分析され新事実が明らかになる。

従来の定説が、史料の再分析、もしくは、分析機器の高度化により、覆る。

このようなことがよく起こります・・・・・

 

最近の例では・・・・

『生類憐みの令』は、江戸時代最悪の法令と言われてきたけど、実はそうではなかった。

賄賂のイメージが定着している『田沼意次』は、経済政策においては、見事な手腕をみ

せ、重農主義から重商主義の転換をしっかりと実現した・・・というように評価はぐんっ

とあがってます。

 

さて、2020年に学習指導要領は、大幅に改定されます!!

なかでも、日本史は、大きな内容変更が予定されてます。

 

 

東山文化、北山文化という言葉が、ひょっとしたら教科書から消えるかもしれないと言わ

れてます。

 

 

学校時代を懐かしみつつ、世代の異なる方との会話のネタにするなど、日本史への関心を

深めていただければ、嬉しいです。

 

 

今日も、最後まで、読んでいただき、ありがとうございました。