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2015
6/11

実力養成会通信 第36号 ”「でも」を連発する生徒”  の巻

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実力養成会の皆さん、保護者の皆さん、こんにちは。

今日は、私が数年前、担当させてもらっていました、ある生徒のことをお話しさせていただきます。この生徒は、浪人生で他予備校との併用で実力養成会では数学のみを受けてました。

 

以下は、数年前の、この生徒の数学指導のヒトコマです。

 

【今野】確かに、正解です。だけど、手早く処理する!!という視点でみたら、ここは、むしろ、(全体)から(余計な部分)を引く・・・こんな考えで こんな式になるじゃん・・・メッチャ、ラクだと思わない? しかも、引く部分は、直角三角形になってるし・・・

【生徒】そうですよね・・・言われたら、わかるんですけど・・・でも、私、面積を求めるときは、(上)引く(下)で、今までやってきてるし、逆に(全体)から(余計な部分)という見方をすると、かえって、混乱すると思うんです・・・・・・

 

 

また、直前期のあるときは・・・・

 

【今野】ここの表現については、もっとシンプルにした方がいいよ。正直、何をいいたいのかが、伝わってこないよ。こういう場合は、逆に「グラフから、・・・・・であることが読み取れる」ってした方が、ずっとスッキリするし、採点する側にも、ちゃんと伝わるよ。

【生徒】グラフを根拠にしていいんですか? グラフを前面に押し出す答案は今まで私の中では、経験ないし、でも、スッキリ一発だってのは、わかるんですけど・・でも、予備校の先生は、こういう時は、ロジックを追っていかないと減点されるって言われたので、減点がこわいので・・・・・

 

 

このように、いつも「でも」を連発する生徒でした。

その一方では、とても明るく、誰とでもすぐ仲良くなれて、自分の意見をしっかりと主張

出来るとてもいい生徒でした。

 

「でも」という言葉の裏側には、この生徒の「プライド」、そして今まで6年近く浪人し

てきて、それなりに、いろいろな予備校に通い、勉強量は誰にも負けてませんよ、

だてに6年間浪人してません・・・という意地もあったと思います。

 

この生徒のこのような、悩ましい背景を理解したうえで、あえて言うと、

この生徒が無意識のうちに発する「でも」は・・・・

 

自分を「かばう」というか自分の至らないところを認めたくないという「でも」です。

このような「でも」を連発すると自分を甘やかすことにつながっていきます。

 

厳しい言い方をすると、多浪の原因の本質は、この「でも」に集約されます。

 

私は、この生徒に対して「でも」禁止 にして、指導すべきでした・・・・

私は、この生徒の「でも」を改善することはできませんでした・・・・・・

この生徒は、最後まで「でも」を連発していました・・・・・・・・・・

 

今でも、私の力不足を反省しています・・・・・