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2015
6/16

実力養成会通信第40号 ”「赤本」をどのように活用していくか? part2 札幌医科大学過去問演習指導”の巻

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実力養成会の皆さん、保護者の皆さん、こんにちは。

本科生で医学部志望者は、本格的に赤本を用いて過去問演習に突入しています。

本日は、実力養成会では、どのような感じで、赤本を用いて過去問演習をしているのかを

ご紹介させていただきます。

 

 

上の画像は、2014年 札医大 大問4番 を演習させた後の解説です・・・

画像をクリックしたら拡大されます。リアルに見れます。

この問題は、札医志望者にとっては、有名な問題です。

とても解きやすく受験生のほぼ全員が完答したであろうとされる問題だからです

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グラフの対称性に着目して、そして(1)の結果を用いれば・・・・

サクサクといきます。

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やった~~解けた~~と言っても、受験生の全員が解いたのです…

解けて当たり前・・・という認識でいなきゃなりません。

だって、(1)で”見え見え”の誘導をしてくれてるからです・・・

この”見え見えの誘導”のおかげで解けたのです。

 

では、誘導がなかったら?・・・・・・・・・・・・

 

そこで、誘導がなかったとしたら・・・という前提で

さらに、この問題を深く掘り下げてみました・・・・

 

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「誘導」がないとき、どのような手順で計算するのかを説明しています。

結局「置換」に帰着しますが、問題を3題みつくろって、段階的に説明しました。

 

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この問題の作問者は、迷ったと思います。

作問者の意図は、まず、「ゴチャゴチャした計算」をバカ正直に計算したら、とんでもな

いことになる・・・そこで、様々な工夫を加えることで、手際よく計算を確実に実行できるかどうかを見たかったんです。すなわち、この問題のテーマは、「工夫」です。

「工夫」の一つ目として「対称性」。もうひとつ目をどうするか?  

・・・色々な選択肢があります。

結局、作問者は、受験生が一番、解きやすいような、別の言い方をするなら、平均点が

前年度よりもあがるような、誘導をつけました。

 

従来、札医 の 問題は、平たく言えば、難しい・・

計算がかなり複雑な問題ばかりで、受験生の勉強の成果が現れにくい・・・・と言われ続けてきました。そこで、札医側も、問題の内容を「マイルド」にします!! と宣言しました。 この問題は、この宣言した直後の年の問題だったわけです・・・・。それ以降、札医 の問題は、難しいとはいえ、従来よりは、かなりマイルドになりました・・・・。そんな経緯がありました・・・・

 

赤本を用いた過去問演習・・・・・

過去問をやらせて、その後で、解説・・・・というイメージをもたれるかもしれませんが、実力養成会が実施する過去問演習は

 

①とにかく、自力で解かせ、行けるところまで生かせる。

②途中で生徒の手が止まる部分は、絶対に見逃さない。ここが当面の生徒の課題です。

③途中で”ヒント”を出しながら、最後まで、行かせます。最後まで行かせることで「難易度」「時間感覚」を生徒自身の肌感覚として感じ取らせます。

④問題を解く上での必要な「技術」「知識」を考えさせる。作問者の「意図」「狙い」を考えさせる

作問者の「意図」「狙い」にドンピシャ一致する類題をチョイスして生徒に演習させる。

 

◆赤本の解説の解答がベストな答案とは限りません。なかには、「こんなやり方で解く生徒はいないだろう~」というのも、かなりあります。あるいは、解答を作成する赤本のスタッフがばらばらなので、解法に一貫性がありません。ここも生徒にとっては実に悩ましい部分です。真剣に取り組んでいる生徒なら、「そう、そう!!」 と思ってますよね。

◆このように、一人で、赤本で、過去問演習をやるっ・・・結構大変な作業です。結局「解く」というより、解答を「なぞる」で終ってしまうのです・・・・・・。