お子様の授業参観日です
【先生】「じゃA君、ここはどうなるかな?」
【生徒】「〇〇ですっ」
【先生】「よしっ、よくできたな。みんなは、どうだった? じゃ、次にいこう!!」
こんな、シーン・・・・・保護者の方なら、すぐイメージつきますね?
先生の発した「じゃA君、ここはどうなるかな?」の問いは
「質問」ではなく「発問」です。
学校現場、さらには、塾、予備校、家庭教師も含めた指導現場では、
「質問」は発する側(授業者)にも解答内容が予想できない問いのことをいいます。
「発問」は、発する側(授業者)が解答内容がわかっている問いをいいます。
「発問」・・一般の方には、耳慣れない言葉ですが、授業者にとっては、この発問一つ
で指導の到達点、生徒の理解度が大きく変わります。
授業者は「発問」をなおざりにはできないのです。ですから、指導研修の場では「あ
の発問の意図は?」「もっと、発問練ったほうがいい」と議論を闘わせます。
具体的に、分かりやすく、書きます。
授業者が、その一回一回の授業目標を、達成するために、用いるのが「発問」です。
「発問」は、言ってみれば、一種の「誘導尋問」です。
着眼点はどこか?
何に着目して考えるのか? 何と何を比較するのか?
「発問」は、それによって生徒に気付かせ、考えさせる最も有効な「手段」なのです。
さらに、言えば、ある特定の生徒へ発問することで、クラス全員へ考える”場”と”間”を
与えるものなんです。ですから、「発問」は
①生徒が応えやすい形で問いかけなければなりません。
②どこに着目させたいのか、授業者の狙いがこめられてなければなりません。
③発する”タイミング”、”間”が「発問」の効果を何倍にもするものです。
典型的な良い発問の例・・・・
【先生】じゃ、A君に聞きます・・・・・
どう見ても、2変数関数の最大、最小の問題だね。しかし、動点Pは、半径1の円周上
を描く・・・・(“間”をとる、ここで生徒に考える”間”を与える、そして、) 半径1の
円だから?
【生徒】単位円!!
【先生】そうだ、その通り(生徒をのせる)。単位円ときたら、やることは、あれだよ。
あれしかないよ。(ここでも、生徒が考える”間”をとる。タイミングを図って)
さぁ・・・あれって?
【生徒】パラメータ表示?
【先生】素晴らしいっ!! お見事。ここだよ。ここがこの問題の「肝」だよ・・・
まだ、続きはあるのですが、これくらいにして・・・・
「良い発問」・・・・イメージつきましたか?
ただ、なんとなく、場つなぎ的な「発問」とは、まったく異なるのはおわかりいただけたでしょうか?
予備校のカリスマ講師の映像を、注意深く見てください。
実に、タイミング良く、しかも生徒が応えやすい形で、発問しています。
「生徒の理解度」に応じて、「授業の進捗状況」に応じて、意図をこめた、的確な「発
問」をタイミング良く発することができる。
この部分をしっかり意識して実践している、先生、講師 であれば、まず、間違いなく、
まかせて大丈夫と言えます。
ためしに、次の機会に、授業参観に行くとき、この「発問」を注意して聞いてみてくだ
さい。その先生の指導スキルを垣間見ることができます。