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2015
5/21

指導者のスキルが垣間見れる「発問」

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お子様の授業参観日です

【先生】「じゃA君、ここはどうなるかな?」

【生徒】「〇〇ですっ」

【先生】「よしっ、よくできたな。みんなは、どうだった? じゃ、次にいこう!!」

 

こんな、シーン・・・・・保護者の方なら、すぐイメージつきますね?

先生の発した「じゃA君、ここはどうなるかな?」の問いは

「質問」ではなく「発問」です。

学校現場、さらには、塾、予備校、家庭教師も含めた指導現場では、

「質問」は発する側(授業者)にも解答内容が予想できない問いのことをいいます。

「発問」は、発する側(授業者)が解答内容がわかっている問いをいいます。

 

「発問」・・一般の方には、耳慣れない言葉ですが、授業者にとっては、この発問一つ

で指導の到達点、生徒の理解度が大きく変わります。

授業者は「発問」をなおざりにはできないのです。ですから、指導研修の場では「あ

の発問の意図は?」「もっと、発問練ったほうがいい」と議論を闘わせます。

 

具体的に、分かりやすく、書きます。

授業者が、その一回一回の授業目標を、達成するために、用いるのが「発問」です。

「発問」は、言ってみれば、一種の「誘導尋問」です。

着眼点はどこか?

何に着目して考えるのか?          何と何を比較するのか?

「発問」は、それによって生徒に気付かせ、考えさせる最も有効な「手段」なのです。

さらに、言えば、ある特定の生徒へ発問することで、クラス全員へ考える”場”と”間”を

与えるものなんです。ですから、「発問」は

①生徒が応えやすい形で問いかけなければなりません。

②どこに着目させたいのか、授業者の狙いがこめられてなければなりません。

③発する”タイミング”、”間”が「発問」の効果を何倍にもするものです。

 

典型的な良い発問の例・・・・

【先生】じゃ、A君に聞きます・・・・・

どう見ても、2変数関数の最大、最小の問題だね。しかし、動点Pは、半径1の円周上

を描く・・・・(“間”をとる、ここで生徒に考える”間”を与える、そして、) 半径1の

円だから?

【生徒】単位円!!

【先生】そうだ、その通り(生徒をのせる)。単位円ときたら、やることは、あれだよ。

あれしかないよ。(ここでも、生徒が考える”間”をとる。タイミングを図って)

さぁ・・・あれって?

【生徒】パラメータ表示?

【先生】素晴らしいっ!! お見事。ここだよ。ここがこの問題の「肝」だよ・・・

まだ、続きはあるのですが、これくらいにして・・・・

「良い発問」・・・・イメージつきましたか?

ただ、なんとなく、場つなぎ的な「発問」とは、まったく異なるのはおわかりいただけたでしょうか?

 

 

予備校のカリスマ講師の映像を、注意深く見てください。

実に、タイミング良く、しかも生徒が応えやすい形で、発問しています。

 

「生徒の理解度」に応じて、「授業の進捗状況」に応じて、意図をこめた、的確な「発

問」をタイミング良く発することができる。

この部分をしっかり意識して実践している、先生、講師 であれば、まず、間違いなく、

まかせて大丈夫と言えます。

 

ためしに、次の機会に、授業参観に行くとき、この「発問」を注意して聞いてみてくだ

さい。その先生の指導スキルを垣間見ることができます。