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2015
5/22

実力養成会通信 第19号 ”大学入試問題にまつわるエトセトラ”の巻

ニュース

実力養成会のみなさん、保護者の皆さん、こんにちは。

 

昨日、あるお母様から、ある大学の入試問題の「クセ」とその「対策」に関するお問い合

わせをいただきました。

最近の、お母様たちは、色々な情報網をお持ちです。

その辺の学校の先生より色々なことを知ってらっしゃるお母様、お父様も数多くいらっ

しゃいます・・・・・

30年前とは、大きく、様相が変わったもんです・・・・・・・・・・・

 

さて、一口に「クセ」と言っても、細かな部分から、おおざっぱな部分まで、いろいろあ

りますが、ざっくり言えば、「傾向」と言えます。

「傾向」っていうのは・・・・問題を作成する立場から言えば・・・

問題を作る教授(もしくは教授管理下の准教)の個人的な「嗜好」に他なりません。

わかりやすく言えば、作る側の好み です。

 

国立の各大学には、問題を作成するチームが存在します。

私立大学では、問題作成を外部の民間企業に委託するところもあります。

例えば、数学の問題ならば、その大学の理学部の数学科の先生たちが作成します。

大問ごとに、作成担当者が理学部数学科内で振り分けられます。

一口で、「数学科の先生」といっても、大学によっては多少異なりますが、かなり、大

ざっぱにいえば、整数論、代数幾何、複素解析、関数解析、確率論、数理統計のそれぞれ

のオーソリティーというかその道の権威といわれる大御所の先生たちです。

この大先生たちの好みもしくは、専門分野のネタ(問題)を大学受験用にマイルドにした問

題が入試問題となっています。

その入試問題作成チーム内の発言力、影響力、複雑に絡み合った力関係、および、その先

生たちの嗜好が世に言う、「傾向」となるわけです。

「えっ? 傾向って、そんなんで決まってしまうの?」と思われた方も多いと思います。

夢というかロマンをぶち壊してしまったら、ごめんなさい。

これが、内部事情です・・・・。ついでに言えば、国立大学の場合、入試問題は、ほとん

ど、みな一様に大学外の「某所」で印刷製本されます。だいたい、11月には、できあ

がります。大学外の「某所」ってどこか? それは、ご想像にお任せします・・

 

また、ある大学の理学部数学科のある研究室にいた、ある先生が、様々な事情で違う大学

へ異動しました。その先生が異動先の大学の入試問題作成チームのメンバーになりまし

た。

これら二つの大学の数学の入試問題は、どことなく、傾向が似ている・・・・となりま

す。例えば、A大学とB大学の数学の問題は、特に、ベクトルについて言えば、切り口っ

てほぼ同じだよね・・・・・なんて場合は、ほぼこんな感じです。

あるいは、どちらかをネタとして、修正、アレンジを加えるということもあります。

入試問題の傾向・・・結局、人間臭い話に帰着してしまうのです。チャンチャンっ!!

以上、大学入試問題にまつわるエトセトラを、お知らせできる範囲内でお知らせさせてい

ただきました。

明日の通信では、このような「クセ」すなわち「傾向」に対して、どのように対処していくのかの部分を 書きたいと思います。