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2018
3/5

『正しい答』と『優しい答』

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私が、ある小学校で臨時教員をしていた時の話です。

余りのある割り算を指導してました。

 

『10÷4』は、どうなるだろう?

 

例えば、桜もち10個を4人で分けるとどうなるだろう?

具体的に考えてみようよ!!

 

 

こんな感じで話してたんです。

 

すると、ある生徒が・・・・・・・

『ボクんちは、とうさんとかあさんが2個ずつ、ボクと妹で3個ずつ、食べます』

『だから、余りはありません』

 

この生徒の答えを聞いた時、涙がでました・・・今でも、ハッキリ覚えてます。

 

算数的には、『10÷4=2、余が2』が正解・・・・・

でも、実生活、特に、この生徒にとっては、余りはないのです。

 

私が、当時、感じたのは、この生徒の家庭の温かさであり、この生徒の柔軟な発想でし

た・・・・・・・このような思いから胸が熱くなり、涙しました・・・・・・

 

 

『学ぶ』ってことは、『正解』を求めるって事だと思うんです。

 

しかし、状況によっては、『正解』が一つとは限りません。

見方、考え方を変えることで、何通りの答えになることもあります。

それどころか、正解の存在しない問題だってあるでしょう。

 

『答えが存在しない』のも正解一つなんです。

 

人と人の間に必要な『答え』は、

正しい答えではなく、この生徒が言ったような『優しい答え』なんでしょうね。

 

 

相手に正しい答えを求め過ぎるのは、

相手にとって、目に見えない”負担”になるかもですね・・・・・・

 

 

 

算数的には、【正しい答え】> 【優しい答え】

でも、人と人の間では・・・圧倒的に 【正しい答え】 < 【優しい答え】

 

恥ずかしながら、

私はこの生徒から、このような、貴重な事を学ばせてもらいました。

 

毎年、桜もちを食べるころになると、不思議とこの生徒のことを思い出すんです。

 

今日も、最後まで、読んでいただき、ありがとうございました。