中学生の数学の教科書に、当たり前のように
『多項式をいくつかの因数の積として表すことを因数分解という』と表記されてる。
学校でも、塾でも、このように指導され、生徒たちは、因数分解を学び、複雑な多項式で
も因数分解を出来るように訓練されていく。
そもそも、なぜ、積として表すのだろうか?
・・・・・・・・・・・・・・・・・
すべての本質は、実はここにある!!
因数分解をすることで、どんなメリットがあるのだろうか?
おおかた、“2次方程式を解くための、前振り”・・・・こんな感じなんだろう。
『2次方程式の前振り』間違いではないが、
もっと、もっと、本質的な部分にまで言及して欲しい(教科書自体が)
高校数学に限らず、大学数学でもそうだが、単元・領域を問わず
数学の問題を解く上で、もしくは、論証を進めていく上で、
鉄則というか、定石の一つとして、
『和より、積を考えよ!!』
というものがある。
我々が式を変形する目的はただ一つ!!
それは、与えられた式より、より解きやすく(論証しやすく)なるようにするため。
つまり、『式からゲットできる情報量を増やすため』
〇+△=10
と
〇×△=10
では、明らかに、積の方が、〇、△の値を絞り込みやすい!!
和より積!!
高2生が学習する三角関数の和積の公式にしてもしかり!!
和を積の形にすることで、方程式でも不等式でも解ける!!
等式の証明にしても、積分計算(部分積分)にしても、みな同じ。
当たり前すぎて、『和より積』気付かないだけ!!
それと、ついでに・・・・・
高1で学習する、次の問題・・・・
aを実定数とするとき、
方程式 aχ=b を解け。
この問題を解けない生徒が多すぎる!!
中学の数学教員、塾講師ですら満足に解けるのはごく少数だろう。
彼らを責めてるのではない!!
原因はズバリ中学数学の教科書にある!!・・・・・
トップ5高の生徒であっても、半数以上は
何の疑いもなく、両辺をaで割って、
『出来ました!!』・・・・・と涼しい顔をしている・・・
そもそも・・・・
中学の教科書自体が、a≠0 が大前提。・・・・・
指導する側も、当然そのように指導する・・・・・・
だから、生徒も何を疑うこと無く、両辺を~で割る・・・・
その反動で、成績優秀な生徒であっても、上の方程式、aχ=b が解けない!!
当然のように、高1生は、毎年のように “場合分け”で大苦戦する・・・・・・・
その結果、3割の生徒が、早々と、この時点でドロップアウトしていく・・・・
高校数学の教員たちは、みな一様に指摘している。
中学数学の教科書は、すべて、問題をすんなり、解ける大前提。
この大前提の議論こそ、数学の本質であるということに気付いてほしい。
方程式を『解く』ということは、
『同値変形』に他ならない・・・・・・・
この事実を知っていて、指導するのと知らないで指導するのでは、
指導を受ける生徒の今後(高校へ進学した後)に大きな違いを生じる!!
これもまた、普段、高校生を指導してるから、見えてくる部分だ。
しかし、現場(学校現場、塾の現場)では、そんなこと(本質)は、知らなくても、
解けるようになればいい・・・・・というスタンスだろう・・・・・
年間カリキュラムが決められ、”授業進度”の関係で、ドンドン前へ進めなくてはならない
悩ましい実情もあるのだろう・・・・
中学生の数学指導とはいえ、
本質は、しっかりと伝えていきたいものだ。
【中3生F君、あるトップ高を目指してます!!】
“解ければいい・・・・・”
“理解できればいい・・・”
これだと、見かけの学力点は伸びても、
真の実力はつかない。
だから、私は、中学生と言えども、本質は、絶対に伝えている。
いや、これから、高校へ進学するからこそ、この時期に本質を伝えるべきだ!!
今日も、最後まで、読んでいただき、ありがとうございました。