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2018
8/5

実力養成会通信 第852号 ”中学生の数学指導について” の巻

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中学生の数学の教科書に、当たり前のように

『多項式をいくつかの因数の積として表すことを因数分解という』と表記されてる。

 

学校でも、塾でも、このように指導され、生徒たちは、因数分解を学び、複雑な多項式で

も因数分解を出来るように訓練されていく。

 

そもそも、なぜ、積として表すのだろうか?

・・・・・・・・・・・・・・・・・

すべての本質は、実はここにある!!

 

因数分解をすることで、どんなメリットがあるのだろうか?

 

 

おおかた、“2次方程式を解くための、前振り”・・・・こんな感じなんだろう。

『2次方程式の前振り』間違いではないが、

もっと、もっと、本質的な部分にまで言及して欲しい(教科書自体が)

 

高校数学に限らず、大学数学でもそうだが、単元・領域を問わず

数学の問題を解く上で、もしくは、論証を進めていく上で、

鉄則というか、定石の一つとして、

 

『和より、積を考えよ!!』

 

というものがある。

 

我々が式を変形する目的はただ一つ!!

それは、与えられた式より、より解きやすく(論証しやすく)なるようにするため。

つまり、『式からゲットできる情報量を増やすため』

〇+△=10

〇×△=10

では、明らかに、積の方が、〇、△の値を絞り込みやすい!!

 

和より積!!

 

高2生が学習する三角関数の和積の公式にしてもしかり!!

和を積の形にすることで、方程式でも不等式でも解ける!!

等式の証明にしても、積分計算(部分積分)にしても、みな同じ。

当たり前すぎて、『和より積』気付かないだけ!!

 

 

 

それと、ついでに・・・・・

 

 

高1で学習する、次の問題・・・・

aを実定数とするとき、

方程式 aχ=b  を解け。

この問題を解けない生徒が多すぎる!!

中学の数学教員、塾講師ですら満足に解けるのはごく少数だろう。

彼らを責めてるのではない!!

原因はズバリ中学数学の教科書にある!!・・・・・

 

トップ5高の生徒であっても、半数以上は

何の疑いもなく、両辺をaで割って、

『出来ました!!』・・・・・と涼しい顔をしている・・・

 

 

そもそも・・・・

中学の教科書自体が、a≠0 が大前提。・・・・・

指導する側も、当然そのように指導する・・・・・・

だから、生徒も何を疑うこと無く、両辺を~で割る・・・・

 

その反動で、成績優秀な生徒であっても、上の方程式、aχ=b   が解けない!!

 

 

当然のように、高1生は、毎年のように “場合分け”で大苦戦する・・・・・・・

その結果、3割の生徒が、早々と、この時点でドロップアウトしていく・・・・

高校数学の教員たちは、みな一様に指摘している。

 

 

中学数学の教科書は、すべて、問題をすんなり、解ける大前提。

この大前提の議論こそ、数学の本質であるということに気付いてほしい。

 

方程式を『解く』ということは、

『同値変形』に他ならない・・・・・・・

 

この事実を知っていて、指導するのと知らないで指導するのでは、

指導を受ける生徒の今後(高校へ進学した後)に大きな違いを生じる!!

これもまた、普段、高校生を指導してるから、見えてくる部分だ。

 

しかし、現場(学校現場、塾の現場)では、そんなこと(本質)は、知らなくても、

解けるようになればいい・・・・・というスタンスだろう・・・・・

 

年間カリキュラムが決められ、”授業進度”の関係で、ドンドン前へ進めなくてはならない

悩ましい実情もあるのだろう・・・・

 

中学生の数学指導とはいえ、

本質は、しっかりと伝えていきたいものだ。

 

【中3生F君、あるトップ高を目指してます!!】

“解ければいい・・・・・”

“理解できればいい・・・”

これだと、見かけの学力点は伸びても、

真の実力はつかない。

 

だから、私は、中学生と言えども、本質は、絶対に伝えている。

いや、これから、高校へ進学するからこそ、この時期に本質を伝えるべきだ!!

 

 

今日も、最後まで、読んでいただき、ありがとうございました。