「認知心理学2 記憶」(東京大学出版) 3400円
少し、専門的色合いが強くなり、値段もちょい高めというのがちょっと・・・・。
しかし、この本・・とても興味深いし、ためになります・・3400円以上の価値あり!!
「記憶」に関する、ありとあらゆるすべてがおさめられてます。
塾、予備校、学校の先生たちにも、是非とも読んでもらいたい一冊ですね。
知識、知能・・・・我々の「知」に関する「はたらき」「メカニズム」を解明しよう!!
というのが「認知心理学」なんです・・・
記憶の情報処理理論から記憶術に至るまで、最新の研究成果がもれなくおさめられてま
す。
以下、本文より、抜粋しました。
■記憶装置のないパソコンは、ただのガラクタであると同様に、人間に記憶の能力が備わっていなければ、どんな簡単な知的作業を行うことも不可能である。記憶は人間のあらゆる認知行動を根底で支える、極めて重要な精神機能なのである。このため記憶研究は、心理学が科学としての歩みを始めた当初から開始されており、すでに100年余りの歴史を経ている。特に、認知心理学が台頭して以来、記憶研究の進展は目覚ましく、記憶の研究領域は急速に拡大した。
■ものを覚えたり、思い出したりするのが得意な人もいれば、苦手な人もいるだろう。記憶に関する人間の能力に個人差があることは、誰もが認める事実である。では、個人によって何が違うから記憶課題の成績に差が現れるのだろうか? 上手な覚え方や、思い出し方を支えているのは何か? このような個人の記憶能力に関する問いに対して、これまでの認知心理学の研究成果を紹介しながら考えていきたい…
■潜在記憶に関する本格的な実験心理学的研究が始められたのは、つい20年ほど前の話である。しかし、そのような記憶に関する様々な学問分野における関心は、数百年の歴史を持っている。このように長い歴史を持っているのは、潜在記憶が本人も気づかない心の動きを対象としており、研究者の好奇心をあおるのに十分すぎるほどの不思議さを有しているからであろう。しかしその研究の難しさゆえに、科学的研究が遅れたと考えられる。この章では、潜在記憶に関する不思議な実験結果を紹介しながら、その正体に迫りたい。
私の個人的感想・・・・
「目からうろこ」の連続でした。
「記憶」のメカニズムが分かりました。
「記憶」とは、「符号化」⇒「貯蔵」⇒「検索」からなる情報処理過程であり、
「貯蔵」には、「短期貯蔵」「長期貯蔵」とがある。この「短期貯蔵」から「長期貯蔵」
への転送こそが重要で、そのための「転移適切処理」の方法が決定的なものとなる!!
普段、指導していて、生徒へ「記憶」を指示する場面がよくありますが、これらの知識
は、すぐに、生かしていきます。
指導経験が長くなると、自分の肌感覚で判断しがちになります。
やはり、人生、勉強ですね!!
今日も、最後まで、読んでいただき、ありがとうございました。