
実力養成会の皆さん、保護者の皆さん、こんにちは。
早速ですが、上の写真は、ある予備校の国公立医学部コースの数学のテキストの1題です。
この予備校に通う生徒から、その日の授業で指導された、この問題の質問を受けました。丁寧に解説し、本人も納得。めでたし、めでたしなんですが・・・・・・・・
ついでといっては、なんですが、同じテキストから、さらにこんな問題をピックアップしてみました。「予備校の予習」ということで下の問題をとりあげ、解説し、本人も納得・・・・めでたし、めでたし・・・なんですが・・・・・・・

今日の実力養成会通信のテーマは、
まじめな予備校生がおちいりやすい、「危険な危険な話」、
題して「あなたは、素手で戦車に向かおうとしてませんか?」です。
まず、上の1問目の話から・・・・ちょっと専門的な話になってしまいますが・・・・・
この問題のテーマは「パラメーター分離」です。どんな参考書にでも解説されています。「実数解の個数はグラフの共有点の個数に一致する」という超有名な話です。この問題は、ベタな表現で「実数解の個数を求めよ」と聞いてますから、ちょっと勘のいい生徒なら「パラメーター分離」と気付くでしょう・・・ところがlogの中に、x と パラメーターのkが混在しています。さぁ、どう、しましょう・・・? ここです・・・・・・ ここがこの作問者が、この問題に施した「意地悪」なんです。
log の定義から (x-k) の2乗 を主語にする式に書き換えてあげればいいのです。
そのあとは、x とk の分離・・・そのあとも、グラフ化するときに、ちょっと大変な作業がありますが・・・パラメーター分離の王道の処理になります・・・
予備校の先生が解説されたノートを見させてもらうと、この先生は、グラフを書く際にlim をとって とても、丁寧に解説されてました。実際は、このlim をとることは、”大して重要ではありません”。とるまでもなく、グラフの概形はかけます。そこまで律儀にやる必要はありません。あえて「真面目にやるならば」という前置きがあったと思います。
まじめな生徒ならばこの部分も全部、理解しようと試みます。「ここは、スルーしていい部分、ここはこの問題の核心部分」というのが見えてないので、全部、丸ごと、同じ重要度で、理解しようとします・・・・。玉置浩二が安全地帯なら、ここがまさに、危険地帯ってことです。首を突っ込まなくてもいい部分にまで首を突っ込んでしまうのです。
下の写真は数学Ⅲ青チャートP268~P289の問題です。テーマは「パラメーター分離」の3題です。数Ⅲ青チャートを持ってる人は是非とも確認してみてください!!


「パラメーター分離」をテーマとし、その本質をがっちりとマスターするには、上のチャート3題+練習問題3題で十分なんです。それでも、まだ余力のある生徒が、次へのステップとしてさっきの予備校テキストの問題をやるなら、妥当なレベルの良問です。
このチャートの3題+練習問題3題がまだ微妙・・・・という段階で、いきなり、この問題はハードルが高すぎます。
素手で戦車に立ち向かっていこうとするようなもんです・・・ランボーならまだしも、真面目な浪人生なら、かわいそうすぎます。
作問者が「意地悪」して、一筋縄ではいけないよう、いろいろと「見えにくく」してるのがこの予備校のテキストの1題なんです。その「見えにくさ」に対しても、しっかりと対応しなきゃだめですよ!! という狙いでこの問題がこのテキストに掲載されてるのです。
この生徒は、とてもまじめな生徒です。「分からない」のは自分に力がないからと考え、とにかくまじめに頑張って理解しようとしていました。たとえ、何時間かかっても・・・
この生徒に対しては、この問題、及び、この問題を解くための基礎となる考え方も教えて、しっかりとマスターできました・・・・・
実は、予備校の先生たちだって、可能なら、それぞれの問題を解くにあたっての「基本的な考え方」「問題の背景」も解説したいんです。・・・・・しかし、決められたコマの時間の中で解かなきゃならない問題数も決まってます。時間切れで次のコマへ持ち越すと事務局からは、やいのやいの言われ、父兄からクレームが・・・・・。 予備校の先生たちも本当に大変なんです・・・・予備校の先生たちも、いろいろな板挟みの中で、「これでいいのか?」と思いながらも指導されてます。
実力養成会には、他予備校と併用している生徒もいます。
素手で戦車に向かうことのないよう、しっかりとケアをしなければなりません。
逆にしっかりとケアしてあげることで、予備校の授業の成果が120%にまでなります。
ちなみにこのテキストの「複素数平面」は、殺人的な難しさです。この予備校の数学の先生ですら、難しい問題ばかり集めすぎた・・・と言ってたとのこと。
少なくとも、札医、旭医を目指す生徒は、ここまでやる必要はありませんよ!!
全部完璧にマスターしなきゃならない・・ということではないので、安心してください。
画一的に予備校のテキストにある問題を全部マスターする必要はありません。
その生徒、生徒でその時点の学力到達度は異なります。目標とする大学、学部も異なります。その生徒個人個人マスターしなきゃならない問題もそれぞれ違います!!