1999年東大文理共通問題です。有名な問題です。
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(1)一般角θに対して、sinθ、cosθの定義を述べよ。
(2)(1)で述べた定義に基づき、一般角α、βに対して、
sin(α+β)=sinαcosβ+cosαsinβ、
cos(α+β)=cosαcosβ-sinαsinβ
を証明せよ。
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実は・・・・この加法定理の証明は、教科書に掲載されてます!!
教科書に書かれてある事が、そのまんま、東大で出題された!!
と、当時は、かなりセンセーショナルでした!!
加法定理の証明パターンについては、東大志望であれば、最低でも4つは、
完全に落とし込んでなきゃなりません!!
本問は、“(1)の定義に基づき” ですから・・・
教科書に載っているパターン以外は以下の通り。
この他にも・・・・
余弦定理と距離公式でABに関して等式を作るパターン
そして
内積の定義に基づき、導くパターン
合計、3つの証明パターンは必須です。
その他にも、『定義に基づかない』のであれば、面積を仲立ちとする、このタイプもあります。
さて・・・・・
東大でこのような出題がされてから・・・
各国公立大学では
“公式の証明”も2次試験で出題されるようになりました・・・・・
大阪大学の三角関数の極限公式はあまりにも有名ですね。
さらには・・・・同じ公式の証明が、
順天堂大学(医)
弘前大 でも出題されてます!!
普段、何気なく
そして、
当たり前のように使ってる公式。
“どのようなプロセスをたどり、こういう公式になったのだろう?”
“なぜ・・・・こんな形で、一発で求まるんだろう?”
こういう視点をもつことは、とても大切です!!
初歩的な例で言えば、
“2次方程式の解の公式”
基本レベルで言えば
“同じものを含む順列の公式”
“条件付確率の公式”
中級レベルで言えば
“点と直線の距離公式”
“内分点、外分点の位置ベクトル公式”
などなど・・・・・・
例えば・・・・・・
『分数の割り算は、なぜ、ひっくり返してかけるのでしょうか?』
『なぜ、すべての放物線は相似なのでしょうか?』
これらは、
その原理だとか、からくりなど、知らなくても、不利益はこうむらないでしょう・・・・
しかし・・・・数学の世界においては、
“理屈”をしっかりと分かっていれば、
その理屈に立ち返り、
その理屈に少し手を加え、
もしくは、その理屈を発展させて、思考することが可能になります!!
東大のこの加法定理の出題は、
“キミたちが、普段、当たり前のように使ってるこの公式、ちゃんと
本質をわかってる?”
“ちゃんと、本質を分かったうえで、使い回してるよね?”
というように、
“どんな時でも、常に、本質を追及せよ” という東大の強烈なメッセージです!!
共通テストでも、
公式の導出過程は、必出です。
本日も、最後まで、読んでいただき、ありがとうございました。