『生類憐みの令』・・・・史上まれにみる悪法とも言われたりします。
果たして、そうなんでしょうか?
難関私大日本史記述対策です!!
【山川出版/日本史Bより抜粋】
江戸初期、些細な事でも、人を斬り捨てるのが当たり前でした。
戦国時代以来の人の命を軽視する殺伐とした空気が蔓延してました。
『生類憐みの令』は、こういった当時の『人を殺したら褒められる』世界から、『虫一匹
殺しても犯罪』の世界へ・・・・というように劇的な変化をもたらしたのです!!
この劇的な変化は、当時の人たちにとっては、それまでの価値観を否定されるに等しいの
で、大きな反発を持ちます。
ですから、同時代の人が書いた史料に綱吉を褒めるものなどないのです。
最初は、劇的なことも、その後生まれた人は、それを当たり前と思って育ちます。
綱吉の治世の後に生まれた子供たちは、侍というのは、滅多に刀は抜かないし、
例え奉公人が粗相をしても、むやみやたらに斬り殺すのは、いけないことだと思って
育ったんです。
こうした子供たちが大人になれば、もう社会全体にとって、それが当たり前になり、
それを初めて変えた人の功績は忘れられていきます・・・・・
綱吉の定めた『服忌令』・・・・・その中の”忌引き” ”喪中はがき”は、
今もなお、慣習として残ってます。
綱吉のやったことの意味を同時代の文献だけで評価してはいけないのです。
その本当の意味は、綱吉がそれをやった結果、世の中がどのように変化したのか?
長いスパンで見ることによって、初めて見えてくるものです。
どれほどの劇的変化も、時間が経つと当たり前になります。
これは、ある意味『歴史の法則』でしょう。
だからこそ、歴史上の出来事を長いスパンで見るという事は、歴史を勉強していくうえ
で、とても大切なことなんです!!
『生類憐みの令』は、間違いなく、世の中を平和にしました!!
悪法なんかではありません!!
今日も、最後まで、読んでいただき、ありがとうございました。